第17回日本手関節外科ワークショップ
会長 長尾 聡哉
板橋区医師会病院 院長補佐 / 整形外科部長
日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野 臨床教授
第17回日本手関節外科ワークショップを2025年10月25日(土)に日本工業倶楽部会館で開催させていただくことになりました。本ワークショップをボクが所属している日本大学医学部整形外科学系整形外科学分野で担当させていただくのは初めてであり、大変光栄に存じております。
ボクと手関節の“本格的な”出会いは、2002年にテキサス大学ガルベストン校へ留学した時でした。当時大学院在学中で『博士号を取得する』目的でテーマも決めずに渡米したボクに、当時のボスであるSteven F Viegas教授は橈骨手根靭帯付着部に関するテーマを与えて下さいました。事前にCT撮像を済ませた新鮮凍結肢体を何体も解剖し、靭帯付着部をマーキングした手根骨を夜な夜なPCへ取り込んで3次元画像を構築(翌朝PCがフリーズしていたことも数知れず…)、3D-CT手関節画像へoverlayさせていた日々が思い出されます。
帰国後無事(?)に博士号を取得し、次の目標を見いだせずにいたボクに突然次の出会いが訪れました。橈骨遠位端骨折診療ガイドラインです。2009年、想像すらしていなかった委員に任命されて以降、2期に渡ってガイドライン作成に携わることができました。同骨折への造詣が深まったばかりでなく、作成を通じて多くの先生とコミニュケーションを深めることができたのは今のボクの大きな財産になっています。ちなみに、昨年3期目の橈骨遠位端骨折診療ガイドライン委員を委嘱されたのは全くの想定外でした・・・。
本ワークショップに初めて出席したのは、奈良県立医科大学の面川庄平先生が会長をされ、まだ一般演題を募集せずにclosedな会として行われていた第4回でした。当時は1会場だけでの開催でしたが、会場内に空席は全くなく参加者でビッシリ埋め尽くされ、参加者からの熱気がヒシヒシと伝わってくる状況に、『大変なところに来てしまった…(汗)』と感じたことを今でも鮮明に(trauma!?)覚えています。生まれも育ちも関東のボクにとっては、あたかも巨人ファンが巨人の帽子をかぶって一人で阪神甲子園球場に乗り込んだようなとてつもないアウェー感でした。以降、本ワークショップに参加する度に諸先生方から緊張感と大きな刺激をいただいています。第17回も参加される皆様にとって刺激的なワークショップにしたいと考えています。
本ワークショップのテーマは「What’s next?」としました。昨年の本会で「learn more」のスローガンのもと手関節についてさらに深堀りしたところで、今後の手関節外科に関する斬新なアイデアを皆様に披露していただきたいと考えています。各手関節疾患についてのシンポジウム・パネルディスカッションなどを企画するとともに、Ns・OT/PTの方々を対象としたセッションも組み入れる予定です。また、招待講演、ランチョンセミナー、モーニングおよびアフタヌーンセミナー、ハンズオンセミナーなども企画しております。多くの皆様のご参加を東京のど真ん中でお待ちしております。